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AOC名を変更したグリニャン・レ・ザデマール [ローヌ]

グリニャン・レ・ザデマール(Grignan-Les Adhemar)は赤のほかに白とロゼもあるAOC(原産地統制呼称)です。以前はAOCよりも格下のVDQS(Vin Delimite de Qualite Superieure、原産地名称上質指定ワイン)でしたが、1973年にAOCを取得しました。

北部ローヌの気候は大陸性で、ぶどう畑はローヌ川に沿う東向きや南向きの斜面にあります。日当たりの良い斜面でないと、ぶどうが熟さないのです。一方、南部ローヌは地中海性気候で温暖なので、ぶどう畑は比較的平坦な場所に広がっています。

AOCグリニャン・レ・ザデマールは南部ローヌの北端に位置し、気候は大陸性気候と地中海性気候が入れ替わる場所になります。AOCは21の村を含み、ぶどう畑の面積は2800ヘクタールほどです。70弱のワイナリーで、多様なワインが造られています。

AOCグリニャン・レ・ザデマールは2010年以前はコトー・デュ・トリカスタン(Coteaux du Tricastin)というAOC名でした。ところが、2008年7月にトリカスタン原発(Centrale nucleaire du Tricastin)で大量のウラン溶液が誤って放出されるという事故が起こったことが原因で、2010年ヴィンテージからグリニャン・レ・ザデマールという新しいAOC名を採用しています。

AOCグリニャン・レ・ザデマールで造られるワインの約9割は赤です。ぶどう品種はグルナッシュ・ノワール(Grenache Noir)とシラー(Syrah)がメインで、補助的にサンソー(Cinsault)やムールヴェードル(Mourvedre)や カリニャン(Carignan)が使われます。

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18種類のぶどう品種を認めるAOCシャトーヌフ・デュ・パプ [ローヌ]

1870年代にアメリカ大陸から持ち込まれたフィロキセラという害虫によってフランス全土のぶどう畑が壊滅的な被害を受けた後、市場には水増ししたワインやラベルの記載とは異なる品質の劣るワインが出回りました。

こうしたワインを市場から追放することを目的に、シャトーヌフ・デュ・パプ(Chateauneuf-du-Pape)のワイナリー、シャトー・フォルティア(Chateau Fortia)のオーナーだったピエール・ル・ロワ(Pierre Le Roy)男爵は1923年に仲間とともにワイン造りに関するルールを策定しました。このルールはフランス・ワインを規定するAOCの原型になりました。

ワインに関するAOCを管理する組織としてINAO(Institut national de l'origine et de la qualité)が発足したのは、1935年です。ル・ロワ男爵らによるルール策定は、それよりも12年も前のことです。

AOCシャトーヌフ・デュ・パプで認められているブドウ品種は18種類もあります。ル・ロワ男爵らがルールを定めたとき、認められていたのは10種類でした。1936年にさらに3種類が追加されました。そして、2009年に5種類が追加され、現在は18種類になっています。

種類は18種類と多いのですが、栽培面積を見るとグルナッシュ・ノワール(Grenache Noir)、シラー(Syrah)、ムールヴェードル(Mourvèdre)の3種類で9割を占めています。

どうして、こんなに多種類のぶどう品種が認められるようになったのでしょうか? 最初の10種類はおそらく、当時のぶどう畑で栽培されていた品種をそのまま追認したのだと思われます。その後に種類が増えたのは、DNA鑑定などの技術が進んだ結果、従来は1つの種類と思われていた品種が実は2つの品種だったことによるようです。

AOCシャトーヌフ・デュ・パプのぶどう栽培面積は全体で約3200ヘクタール。ワイナリーの数は300を超えています。
 
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シャトーヌフ・デュ・パプはカストロ・ノヴォだった [ローヌ]

シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf-du-Pape)というAOC(原産地統制呼称)には、シャトーヌフ・デュ・パプ、ベダリッド(Bedarrides)、クルテゾン(Courthezon)、ソルグ(Sorgues)という4つの村を含んでいます。

この地域のワインは昔は「アヴィニョンのワイン」(Vin d'Avignon)として知られていました。カストロ・ノヴォ(Castro Novo)という村がシャトーヌフ・デュ・パプと名前を改めたのは1893年のことです。1966年にAOCが認められたときに、村名はそのままAOC名に採用されています。「パプ」とは教皇です。シャトーヌフは「新しい城館」という意味です。シャトーヌフ・デュ・パプはフランス語で「教皇の新しい城館」という意味です。

シャトーヌフ・デュ・パプは、1954年にUFO(未確認飛行物体)飛行禁止条例を制定しています(条例は2007年に撤廃されました)。

シャトーヌフ・デュ・パプで主力になっているぶどう品種はグルナッシュ・ノワール(Grenache Noir)で、作付け面積の約7割を占めています。AOCのルールとしては、合計で18種類ものぶどう品種を使うことが許されています。

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シャトーヌフ・デュ・パプは教皇の新城館 [ローヌ]

西暦1000年ころから1300年ころまで西ヨーロッパ社会の封建制度が安定していたことを背景に、度重なる十字軍の遠征が行われました。十字軍の遠征は7回も行われましたが、カトリック教会に属する西ヨーロッパ諸国による聖地エルサレムの奪還はなりませんでした。相次いだ遠征の失敗はローマ教皇と各国の王との力関係に変化を生みました。教皇の権威が弱まり、遠征を仕切った王の権威が強まったのです。

13世紀末に教皇の地位に就いたボニファティウス8世(Bonifatius Ⅷ)は、各国の王は教皇に服従すべきであると宣言しました。教皇を最高権力者と考えるボニファティウス8世は、王権の拡大を図っていたフランス国王フィリップ4世(Philoppe Ⅳ)と衝突します。フィリップ4世はイタリアのアナーニという町でボニファティウス8世を捕らえてしまいます。

その後、財政的基盤も強化したフィリップ4世は、1309年に教皇庁をローマから南部ローヌのアヴィニョン(Avignon)に移し、教皇はフランス国王の監視下に置かれるようになりました。1377年に教皇はローマに戻りましたが、アヴィニョンにも別の教皇が立ち、教会大分裂という事態に陥りました。

アヴィニョンの北部にある村、シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf-du-Pape)は直訳すると「教皇の新しい城館」という意味です。シャトーヌフ・デュ・パプはAOC(原産地統制呼称)の名前にもなっています。

教皇庁がアヴィニョンに移されて2代目の教皇だったヨハネス22世(John XXII)は、第2の住居としてシャトーヌフに要塞を建設、近辺にぶどう畑を開墾したと伝えられています。
 
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マルサンヌとルーサンヌで造るムスー [ローヌ]

サン・ペレイ(Saint-Peray)の名が付くAOC(原産地統制呼称)は2つ存在します。サン・ペレイAOC(Saint-Peray AOC)とサン・ペレイ・ムスーAOC(Saint-Peray Mousseux AOC)です。前者は泡のない白ワインのAOC、後者はムスーすなわちスパークリング・ワインのAOCです。量の多いのはサン・ペレイ・ムスーAOCで、サン・ペレイで造るワインの8割を占めています。

サン・ペレイはローヌ地方の中でも冷涼な地域で、スパークリング・ワインを造っています。安価なスパークリング・ワインにはタンク内で2次発酵を行う方式(シャルマ方式)によるものもありますが、サン・ペレイ・ムスーAOCはトラディショナル方式すなわちボトル内で2次発酵を行うルールです。

サン・ペレイのぶどう品種はマルサンヌ(Marsanne)とルーサンヌ(Roussanne)です。この2つの白ぶどうは、どちらも語尾に「サンヌ」が付いていて、しかも北部ローヌの各AOCで双子の兄弟のように栽培されています。

マルサンヌは比較的きちんとした収穫が期待できる白ぶどうです。ルーサンヌはうどんこ病にかかりやすいなど、栽培のやや難しい品種ですが、マルサンヌよりも強い香りや酸味を持っています。このため、マルサンヌとルーサンヌは互いの長所を生かす形で一緒に醸造されます。

サン・ペレイのぶどう栽培面積は60ヘクタールほどしかありません。マルサンヌとルーサンヌの栽培面積はサン・ペレイ9対1でマルサンヌが圧倒しています。フランス全土では2000年のデータによるとマルサンヌが1200ヘクタール、ルーサンヌが760ヘクタールです。ちなみに、白ぶどうのメジャー的存在のシャルドネは3万6300ヘクタールです。

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シラー100%がAOCルールのコルナス [ローヌ]

エルミタージュやサン・ジョゼフでは専らシラー100%の赤ワインが造られてるものの、AOC(原産地統制呼称)の規則としてはシラーをメインに白ぶどうを混ぜて造ることを許しています。

コルナス(Cornas)はルールとしてシラー100%の赤ワインのみを認めているAOCです。コルナスのぶどう畑の面積は全体でも125ヘクタールしかありません。さほど広いAOCではありませんが、作られているワインは造り手によって性格が違います。

伝統的な手法の造り手の代表格はドメーヌ・オーギュスト・クラープ(Domaine Auguste Clape)だと言われます。茎のついたままのぶどうの実を自然酵母を使って発酵させ、古樽の中で長期熟成させる造りかたです。

一方、革新派の代表格とされるのは、1980年代初期に醸造コンサルタントとしてスタートしたジャン・リュック・コロンボ(Jean-Luc Colombo)が経営するドメーヌとネゴシアンです。完全に除梗(茎を除くこと)し、すべて新樽を使って熟成しています。

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シラーによる赤ワインのサン・ジョゼフ [ローヌ]

サン・ジョゼフ(Saint-Joseph)はローヌ川の右岸に広がるAOC(原産地統制呼称)です。AOCが成立した1956年6月、このAOCに含まれる村は6つ、ぶどうの栽培面積は90ヘクタールでした。

1970年代と80年代にサン・ジョゼフはぶどうの栽培面積を大きく広げ、ワインの質を低下させてしまいました。この反省から、90年代に入り、AOCとしての作付け面積は縮小されました。現在の作付け面積は900ヘクタールほどです。

サン・ジョゼフで造られているワインは赤ワインが9割、白ワインが1割です。赤ワインはAOCのルールではシラー(Syrah)に10%までマルサンヌ(Marsanne)とルーサンヌ(Roussanne)という白ぶどうを混ぜることができますが、実際にはほとんどの赤ワインはシラー100%で造られています。

昔のことですが、この地域にあるぶどう畑の一つをイエズス会が保有しており、その畑にはサン・ジョゼフ(Saint-Joseph)すなわち聖母マリアの夫、「聖ヨゼフ」という名前が付けられていました。サン・ジョゼフというAOCの名前は、このぶどう畑の名前に由来します。

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コンドリューはヴィオニエの原産地 [ローヌ]

コンドリュー(Condrieu)はヴィオニエ(Viognier)による白ワインのAOC(原産地統制呼称)です。このAOCにはコンドリューという名の村のほか、6つの村を含んでいます。

AOCコンドリューもローヌ地方の多くのAOCと同じく、ワイン造りが成長したのは1970年代以降です。60年代までヴィオニエの作付け面積はわずか10ヘクタールほどでした。作付け面積は80年代に増加に転じ、90年代以降に急増しました。現在は130ヘクタールほどに達しています。

コート・ロティ(Cote-Rotie)の名声を高めるのに貢献したマルセル・ギガル(Marcel Guigal)はコンドリューでも大きな役割を果たしました。ネゴシアンとしてのギガルはコンドリューの農家からぶどうを買い集めてワインを造っています。

ヴィオニエという品種の白ぶどうはコンドリューが原産地です。花は咲いても結実しなかったり、うどんこ病にかかりやすかったり、収穫時期を的確に選ばないと香りの乏しいワインになってしまったりするため、栽培の難しい品種とされています。かつては北部ローヌで広く栽培されていましたが、フランスのぶどう畑がフィロキセラという害虫によって壊滅的な被害を受けた1800年代半ば以降、収穫量を確保しにくいヴィオニエの作付け面積は激減しました。

1980年代にローヌの赤ワインが人気を得たことを背景に、ヴィオニエも注目されるようになりました。作付け面積は北部ローヌだけでなく、フランス南部のラングドック(Languedoc)でも1990年代に急増しました。また、カリフォルニアやオーストラリアにも持ち込まれています。

ヴィオニエの2000年の作付け面積はフランス全体では2360ヘクタールに達しています。このうちAOCワインになっているヴィオニエはごくわずかで、ほとんどはAOCワインよりも格下のヴァン・ド・ペイ(Vin de pays)つまり安価な地酒に造られています。

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コンドリューに囲まれるシャトー・グリエ [ローヌ]

AOCシャトー・グリエ(Chateau-Grillet )はAOCコンドリュー(Condrieu)に囲まれています。ぶどう畑はわずか3.8ヘクタールの広さしかありません。コンドリューの中で特に優れた畑を一つのAOCとして独立させているように見えます。

シャトー・グリエはヴィオニエによる白ワインのAOCです。このAOCでワインを造っているワイン生産者は1社しかありません。AOCと同じ名前のシャトー・グリエというワイナリーです。

ぶどう畑が1社によって占有されているAOCはほかにもあります。ヴォーヌ・ロマネ村の6つのグランクリュはそれぞれがAOCになっていますが、そのうち4つはモノポール(monopole)すなわち1社のオーナーが占有する畑です(http://wine001.blog.so-net.ne.jp/2012-12-05)。

シャトー・グリエで造られる白ワインが、一般的な750mlのボトルを使うようになったのは1988年からです。それ以前は700mlのボトルを使っていました。ボトルのラベルには「Neyret-Gachet」(ネイエ・ガシェ)というワイナリーのオーナー家の名前が記載されています。ネイエ・ガシェ家は1830年からこのワイナリーを所有していました。

シャトー・グリエは2011年にフランソワ・ピノー(Francois Pinault)氏によって買収されています。フランソワ・ピノー氏はボルドー・メドック地区ののシャトー・ラトゥール(Chateau Latour)のオーナーです(http://wine001.blog.so-net.ne.jp/2012-03-28

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エルミタージュは北部ローヌの代表格 [ローヌ]

北部ローヌのAOCエルミタージュ(Hermitage)はローヌ川の左岸にあります。ぶどう畑は丘の南斜面に広がっています。

エルミタージュは18世紀から優れたワインの産地として知られてきました。19世紀半ばまでボルドーの特級ワインにはエルミタージュのワインをブレンドするものもあったほどです。

エルミタージュはシラー(Syrah)を主体とする赤ワインとルーサンヌ(Roussanne)やマルサンヌ(Marsanne)による白ワインのAOCです。赤ワインはAOCの定めるルールではぶどうの品種はシラーを主体に白ぶどうのルーサンヌやマルサンヌを15%まで混ぜて造ることができます。しかし、エルミタージュの赤ワインといえば、シラー100%のワインが主流になっている印象があります。

エルミタージュではぶどうの当たり年にヴァン・ド・パイユ(Vin de Pille)という甘口ワインが造られます。収穫した白ぶどうを乾燥させた後に搾汁します。「ヴァン」はワイン、「パイユ」は藁(わら)です。ヴァン・ド・パイユという名前は、昔は藁の上でぶどうを乾燥させたことに由来しています。

ヴァン・ド・パイユはフランスではジュラ地方でも造られています。イタリアではレチョートという名前で同じようなワインが造られています(http://wine001.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13)。

エルミタージュの周囲はAOCクローズ・エルミタージュ(Crozes-Hermitage)です。クローズ・エルミタージュのワインはエルミタージュのワインに比べ安価ですが、この数十年の間にワインの質を大幅に高めたと言われます。
 
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