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単一畑のリースリングで造るシュタインベルガー [ドイツ]

ヒュー・ジョンソン著「ワイン物語(中)」(2008年、平凡社)によると、三十年戦争によってドイツのワイン産業は壊滅的な被害を受けました。ワイン産業の復活にいち早く取り組んだのは教会でした。教会は植えつけるぶどうの品種として、栽培が容易で収穫量の多い品種ではなく、質の高いワインを造ることができるリースリングを選びました。

ラインガウ地域のハッテンハイム(Hattenheim)という村にシュタインベルグ(Steinberg)というぶどう畑があります。シュタインベルグは古くからエーベルバッハ修道院(Kloster Eberbach、http://kloster-eberbach.de/ )が所有していました。

三十年戦争(1618年〜1648年)のとき、スウェーデン王グスタフ・アドルフはドイツ(神聖ローマ帝国)に攻め込んだ際にエーベルバッハ修道院を本拠地として使いました。兵士たちが占拠していた間に、修道院の酒蔵にあったワインは飲みつくされ、ぶどう畑も荒れ放題になったことと想像されます。

三十年戦争後にシュタインベルグにリースリングを植え付けたのは、シトー会修道院の人々です。シュタインベルグで収穫したぶどう(リースリング)から造ったワインは、畑の名前にerをつけてシュタインベルガー(Steinberger)と呼ばれます。フランス・ワイン風に解釈するとモノポールです。シュタインベルガーは素晴らしいワインで、ドイツ帝国の鉄血政策で知られる宰相ビスマルクが愛飲したというお話しがあります。

エーベルバッハ修道院は、1136年に創立され、1803年まで続きました。現在は修道院もワイン醸造所もヘッセン州が運営しているようです。

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ドイツに13のワイン産地 [ドイツ]

ドイツはぶどうの栽培が難しい冷涼な気候にもかかわらず品質の高いワインを一生懸命に造っている印象があります。

EUのワイン法で「テーブルワイン」に相当するドイツのワインはTafelwein(ターフェルヴァイン)とLandwein(ランドヴァイン)ですが、これらのポピュラーなワインの生産量はわずかです。

ドイツのワインのほとんどは特定地域で栽培されたぶどうだけを使う質の高いワインです。ドイツの高級ワインはQbA(クーベーアー)とPradikatswein(プレディカーツヴァイン)に分類され、プレディカーツヴァインはさらにぶどうの糖度によって6つに分類されています(http://wine001.blog.so-net.ne.jp/2011-10-16)。

QbAはQualitaetswein bestimmter Anbaugebiete(クヴァリテーツヴァイン・ベシェティムター・アンバウゲビーテ)の略です。Qualitaetsweinは「クオリティの高いワイン」、bestimmterは「特定の」、Anbaugebieteは「栽培地域」という意味です。

特定栽培地域は13あります。そのうち11地域は南ドイツにあります。残り2つの地域は旧東ドイツに属していた地域です。
 
 ドイツ ワイン 地図90.png

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シュペートブルグンダーはピノ・ノワール [ドイツ]

この6月に南ドイツに行きます。フランクフルトやミュンヘン、ケルンなどを回る予定です。

ドイツと言えば飲み物はビール、ワインなら甘口の白ワインというイメージがあります。

ドイツは甘口ワインだけでなく、辛口の白ワインも造っています。生産量で言えば辛口は甘口の2倍強も造られています。

ドイツには赤ワインもあります。使われている品種はシュペートブルグンダー(Spätburgunder)です。シュペートは「遅い」、ブルグンダーは「ブルゴーニュ」です。シュペートブルグンダーはピノ・ノワールのドイツ名です。

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伝統的方法で造るクレマン・ダルザス [フランス]

クレマン・ダルザス(Cremant d'Alsace)はアルザス地方で造られるスパークリング・ワインです。使われるぶどうは主にピノ・ブラン(Pinot Blanc)ですが、ピノ・グリ(Pinot Gris)やピノ・ノワール(Pinot Noir)、シャルドネ(Chardonnay)も使われます。しかし、ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)とシャスラ(Chasselas)だけは使われません。

白ワインの代表的な品種として各地で栽培されているシャルドネは、アルザスの白ワインのラベルには記載できません。しかし、クレマン・ダルザスには使うことができます。

「クレマン」はシャンパーニュ地方以外のフランスで造られるスパークリング・ワインを言います。造り方はシャンパンと全く同じです。

スパークリング・ワインは発酵が済んだワインに糖分を加え、2次発酵させて造ります。2次発酵はボトル内またはタンク内で行います。シャンパンはボトル内で2次発酵させます。タンク内で2次発酵する方法はシャルマ方式(Charmat Method)と呼ばれ、コストが下がります。

以前はボトル内で2次発酵させる方法をMethode Champenoise(シャンパーニュ方法)と呼んでいました。しかし、1980年代末にEUのワイン法がMethode Traditionelle(伝統的方法)という言葉を定め、シャンパーニュ以外のフランスで造られたスパークリング・ワインはクレマンと呼ばれるようになりました。

クレマン(Cremant)は気泡がCremeux(クリーミィ)さを感じさせることから来ている名前です。かつては微発泡のワインを指す言葉でした。

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アルザス・グラン・クリュの4品種 [フランス]

アルザスには51のグラン・クリュ(Grand Cru)が設定されています。アルザス・ワインは8品種のぶどうを使うことができますが、アルザス・グラン・クリュを名乗るワインが使えるぶどうは次の4品種です。

・リースリング(Riesling)
・ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)
・ピノ・グリ(Pinot Gris)
・ミュスカ(Muscat)

これらの4品種はアルザスで作られる2種類の甘口ワインにも使われています。。

・ヴァンダンジュ・タルディヴ(Vendanges Tardives)
・セレクション・ド・ノーブル(Selection de Grain Nobles)

ヴァンダンジュ・タルディヴは直訳すると「遅摘み」です。収穫時期を遅らせることで糖度の上がったぶどうを使う甘口ワインです。セレクション・ド・ノーブルは直訳すると「粒よりの高貴なぶどう」という意味で、貴腐ワインです。

アルザスの東にはライン川が流れています。ライン川の西側はドイツでは最も南のワイン産地であるバーデン(Baden)です。

アルザスは北緯47.5?49度に位置します。アルザスとバーデンはほぼ同じ緯度に位置しますが、ワイン造りに大きな違いがあります。アルザスでは甘口ワインを除くと、ほとんどのワインでぶどう果汁に糖分を加える補糖(シャプタリザシオン、Chaptalization)を行っています。これに対し、ドイツのワイン法はぶどうそのものの糖度にこだわり、高級ワインでは補糖を禁じています。

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アルザス・ワインにつかうぶどう8品種 [フランス]

アルザスはライン川とヴォージュ(Vosges)山脈に挟まれた平原です。アルザスは1648年まで神聖ローマ帝国に属していましたが、三十年戦争、普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と、戦争のたびにドイツ領になったりフランス領になったりを繰り返しました。

アルザスはフランスとドイツの両方から影響を受けています。ワインに使われるぶどうは8品種の名前にもドイツ語とフランス語が混じっています。

・リースリング(Riesling)
・ゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer
・ピノ・グリ(Pinot Gris)
・ミュスカ(Muscat)
・ピノ・ブラン(Pinot Blanc)
・シルヴァネール(Sylvaner)
・シャスラ(Chasselas)
・ピノ・ノワール(Pinot Noir)

リースリングは栽培面積と知名度の点でドイツを代表するぶどう品種と言えます。ゲヴュルツトラミネールはウムラウトの付いたüを含む名前そのものがドイツを感じさせます。Gewürzは「スパイス」を意味するドイツ語です。

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品種を記載するアルザスのワイン [フランス]

欧州のワインは「どこで造ったか」を重視し、産地の名称をラベルに記載しますが、ぶどう品種は記載しないのが普通です。これに対し、カリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど、いわゆるワインの新世界では「どんなぶどう品種で造ったか」を重視します。

使ったぶどうの品種をラベルに表記しているワインをヴァラエタル・ワイン(Varietal Wine)と言いますが、その発祥の地はカリフォルニアです。

現在は質の高いワインで知られるカリフォルニア州ですが、禁酒法が解禁された直後のぶどう畑は荒れ放題でした。そこで、カリフォルニア大学デービス校に在職していたメイナード・アメリン(Maynard Amerine)はカベルネ・ソーヴィニョンやメルローやシャルドネなどの栽培を広めることを指導しました。

高貴なぶどう品種を使い、それをラベルに記載したヴァラエタル・ワインはカリフォルニアからオーストラリアやニュージーランドや南アフリカなど、いわゆるワインの新世界に広がりました。

アルザスはフランスの中では例外的にぶどう品種をラベルに記載します。そこには、どんな事情があったのでしょうか。私にとってワインにまつわるなぞの一つです。

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